外国語

外国語授業で絶対やってはいけないこと3つ

外国語が教科となった今年度。順調に授業は進んでいるでしょうか?

高学年を担任しており(2020年現在)、なかなか週2時間はきついなと思いながら、ALTと協力しなんとか授業を行っています。

教科となりせっかく週2時間行うのだから、やはり子どもたちにはしっかり力をつけたいものです。

そこで今回はこれをやったら子どもに力がつかなくなる、

「外国語授業でやてはいけないこと3つ」をお伝えします。

今日紹介することを授業で行うと、子どもたちの英語を「話そう」「聞こう」とする姿勢を育めなくなり、子どもに力をつけることができなくなります。

ぜひ気をつけてほしい3つです。

また「これはするな」だけでなく「ではどうすればよいか?」も簡潔にまとめました。

これを実践すれば外国語の授業がより豊かになっていきます。

ぜひ参考にしていただければ。

ではいきましょう!

外国語授業で絶対やってはいけないこと

①英語を話した後にすぐ「日本語」で意味を伝える

「Open your textbook. 教科書を開きましょう」

「Write your name. 名前を書きましょう」

「Listen carefully. しっかり聞いてね」

と英語の後すぐに日本語で意味を言ってしまう先生をよく見かけます。

おそらく英語の意味が分からない子どもへの配慮だと思うのですが、しかしこれはできるだけやらないほうがいい。

なぜなら英語の後に日本語をすぐ話すと子どもは

「後で日本語で言ってくれる」と捉え、英語を聞こうとしなくなります。

以前の記事でも書きましたが、小学校の外国語では聞いた英語の意味を「推測しよう」とする姿勢を育てることがまず大切だと思っています。

しかし、担任が日本語の意味を言ってしまうと子どもたちに英語を聞く必然性がなくなってしまいます。

ではどうする?

まずは担任から「外国語の授業では先生はできるだけ英語で伝えようとします。だからみんなもしっかり聞き、分かろうとしてほしい」と話し、そういった姿勢を褒め続けます。

そして授業の中でよく使う表現や、非言語コミュニケーションのジェスチャーなどと合わせると伝わるような表現はできるだけ英語だけで伝えるようにします。

子どもが1度で分からなくても、「この表現は英語で分かってほしい」と決めたのなら、すぐに日本語は使わずに、伝える努力を教師がすべきです。

この伝える努力を示すことも子どもたちには良いモデルとなります。

子どもたちの「英語で伝えよう」とする姿につながっていきます。

ただこういう話をすると

「じゃあ授業では英語しか使ったらだめなの?それはハードル高すぎる」

という方もいらっしゃりますが、そんなことはありません。

小学校の外国語は授業を「オールイングリッシュで」とは学習指導要領において求められていません。

できる部分だけでいいのです。

中には複雑なゲームの説明も英語でしなければいけないと思われる先生もいらしゃいますが、

説明が複雑で英語で伝えることが難しいと判断したなら、そこは割り切って日本語で説明すればいいです。

中途半端に英語を話してすぐに日本語を話すよりよっぽどいい。

ではどんな表現を英語だけで使っていけばよいか?

ぜひインターネットで「クラスルームイングリッシュ」と調べてみてください。

授業で使える表現が多くでてくると思いますので、その中から使えそうなものを選んで少しずつ授業で使ってみましょう。

英語だけで伝えようとする先生の姿から、子どもの英語を「聞こう」とする姿勢と「伝えよう」とする姿勢が育ちます。

②ALTが授業で日本語を話す

日本滞在歴が長く、日本語が堪能なALTほど授業で日本語を使いたがります。

これもALTとしては悪気はないんです。スムーズに授業を進めたり、子どもの理解を促したりするために日本語を使うのです。

しかし、先程の①と同様、ALTが日本語で説明をしてしまうと、子どもが英語を聞こうとしなくなります。

またALTの中にはまだそれほど流暢に日本語を話せないが、子どもが話す日本語はなんとなく理解できる方がいます。

そんなALTは子どもが話す日本語でコミュニケーションをとってしまう。

「日本語でも伝わるな」と子どもは考え、英語で話そうとしなくなります。

ではどうする?

私はALTは教室のなかで「唯一英語を母語とし、英語のみでコミュニケーションが可能」な存在であるべきだと思っています。

なのでペアを組むALTがたとえ日本語が堪能だとしても

「学校では日本語が話せない、分からないふりをしてほしい」と伝えます。

そして授業では日本語がわからない英語話者として演じてもらう。

すると授業の中でALTに何か伝えたい時に

「〜って言いたいんやけど、英語でどう伝えればいいかな?」と子どもたちとともに考えることができます。

そして子どもたちと共になんとか伝えようとします。

ただALTは授業の内容も分かっているし、我々が日本語でやり取りしていることもだいたい分かっているので、「これを伝えたいんだな」ということは把握しています。

だから子どもが伝えようとしているある程度のところで

「あぁ、〜ってことね」と分かったことを示してもらいます。

そうすると子どもにも「自分達の英語が伝わった」という経験を積ませることができるのです。

ALTが日本語を使う授業とは大きな差があると私は思っています。

③正しい英語を話した子どもを評価する

例えば「月の名前」を学習する単元。

January, February, March,・・・

これを覚えるのはけっこう大変で、大人でも「何だったっけ?」となります。

なので子どもにも1回2回聞かせた所で言えるようにはならない。

しかし何回か授業をしていくと教師としては

「12月って英語でなんて言うんだったっけ?」と聞きたくなります。

聞くだけならまだいいのですが、聞いた後に指名した子どもが正しく

「December」と言ったことに対して大きく褒めることはしてはいけない。

これをすると子どもが

「外国語の授業では正しく英語を覚えて、正しく話せることがよい」という認識を強く持ってしまいます。

当然正しく英語を話すことは大切ですし、最終的にはそこを目指すべきです。

ただ「正しい英語」を評価し続けると間違いを恐れて子ども達が英語を話さなくなります。

ただでさえ「異なる言語を話す」だけでも抵抗がある上に

正しさも求められるとより話そうとしなくなります。

ではどうするか?

「12月って英語でなんて言うんだったっけ?」と聞くことはあります。

そしてたまたま覚えている子や先取り学習している子から

「Decemberでしょ」と発表されるでしょう。

それに対して

「すごい、よく覚えてたね」

「いい発音で言えたね」

とは言いません。

「あーそうだった、Decemberだった。じゃあみんなで言ってみよう」

のように扱います。

評価はしていませんが、発言してくれたことを生かして授業を進める。

こんな感じです。

ただ「12月って英語でなんて言うんだったっけ?」の後に

私が大きく褒める場面があります。それは

「え〜っとなんやったっけ?でぃっすん…」

「のーべーばー、みたいなんじゃなかった?」

など、間違ってもなんとか言葉にしようとしている子どもたちです。

また「誰かが言ってくれるだろう」ではなく、発言できなくても自分で考えようとしている様子の子どもも褒めます。

ここは特に大きく評価します。

ただ誤解されるかもしれませんが、「正しく話せた」ことを全く評価しないというわけではありません。当然評価します。

しかしまずは「間違いを恐れず話そう」とする姿勢を育んでいくために、正しい英語に対する評価には敏感になるべきだと考えています。

まとめ

以上が「外国語授業で絶対やってはいけないこと3つ」でした。

自分の授業を振り返ってみていかがでしょうか?

意外とやってしまっていることだと思います。

しかしこれらは小さなことですが、外国語の授業における子ども達の姿に大きく影響します。

ぜひ参考にしていただければ幸いです。

以上です!お読みいただきありがとうございました!