日清・日露戦争について調べ、2つの戦争を経て日本の国際的地位が向上し、朝鮮半島に勢力を拡大したことを理解することができる。
この単元から戦争についての学習が始まります。
「戦争」と聞くと子どもたちも
「いけないこと」というイメージがある子どもが多いです。
当然、戦争はいけないことではありますが、
「戦争をおこなっている人達は全て悪人」という印象を子どもたちが持っているとしたら、そのイメージを少し変えるためにも
戦争の学習を始めるまえに必ず
「なんで戦争って起こると思う?」
という質問をします。
様々な意見が出ますが、戦争というのは
- 悪い人がいるから起こるということではない
- 必ず原因がある
- その原因を探り、またどうすれば防げたのかを考えられるといいね
などという話を必ずします。
学習前に戦争に対するイメージをできるだけそろえてから学習に入っていきます。
では日清戦争、日露戦争の授業です。
【6年社会】2つの戦争と人々のくらしの変化(日清戦争と日露戦争)
①(日本、朝鮮半島、中国、ロシアが載っている地図を提示)この時、「朝鮮」が重要だと捉えられていました。なぜ重要だったのか、予想しましょう。
ここは多くの予想を出させます。
これまでの学習とつなげた発言は価値付けます。
②当時日本にとって朝鮮は「いい橋」にも「悪い橋」にもなりうると考えられていました。いい橋とは?悪い橋とは?
「いい橋」→交流できる 貿易できる 文化を教えてくれる 武器や資源が手に入る
「悪い橋」→侵略される 中国から攻撃される 戦争となる
朝鮮をめぐってどうなっていったのか見ていきましょう。
③(「日清戦争前の東アジアの関係を描いた風刺画」を提示)この絵を見て気づいたことをノートに書きましょう。
- 釣りをしている
- 3人が魚を狙っている?
- 左が日本?右が清?
・真ん中は釣り竿をもっていない。見ている感じ。
それぞれ人物が「日本、清、ロシア」を、そして魚が「朝鮮」を表していることを伝える。
「ロシアは漁夫の利を狙ってる?」という発言も出てくる。
④その後朝鮮をめぐって日清戦争が起こりました。日清戦争が起こった経緯、その結果について調べましょう。
教科書、資料集を使って調べさせる。
日本は勝利したが戦力が
日本 陸軍24万人 海軍6万トン
清 陸軍63万人 海軍8.5万トン
だったという事実を伝えると子ども達は驚く。
⑤(日露戦争の様子の風刺画を提示)気づいたことをノートに書きましょう。
教科書にも風刺画はあるのだが、「格闘リング上に日本人とロシア人がいる」風刺画を使って授業を行います。ネットで探せばでてきます。
- ・身長差が激しい
- ・ロシア人はえらそう
- ・アメリカ人やヨーロッパ人っぽい人がリングを見ている
- ・リングが地図になっている
- ・日本人の足が朝鮮を踏んでいる
この日本とロシアのかけひきを世界が注目していたことが分かります。
⑥日露戦争が起こった経緯、結果について調べましょう。
日清戦争で戦力の違いを紹介したことから、自ら日露戦争での戦力を調べようとする子どももでてきます。
そういった姿勢は必ず価値付けます。
日本 陸軍100万人 海軍22万トン 資金力2億円
ロシア 陸軍200万人 海軍80万トン 資金力20億円
多くの犠牲を出しながらも東郷平八郎などの活躍で日本が勝利したこと、
またアジアの国がヨーロッパ国に勝利したことでアジア諸国に独立への希望を与えたことをおさえます。
まとめ
戦力などを紹介すると特に男子が「日本すげー!」となります。
興味をもたせるために紹介はしますが、単元の本質とは少しずれるので
戦争の原因や経過、そしてその結果どのような変化があったのかを興味をもたせながら調べ、理解できるような授業を意識するべきだと思っています。
以上です!お読みいただきありがとうございました!