学級経営

【授業が変わる!!】授業に全員を巻き込む手立て その①, 9選

授業でいつも決まった子どもしか発表しない…

考えているのか考えていないのかが分からない子もたくさんいる…

どうしたら全員を授業に参加させることができるのか…

そんな声にお応えします。

授業の中で発表や発言が苦手な子どもは当然います。

しかしそれをそのままにしておくと

授業に対して完全に受け身になってしまいます。

1時間の授業の中で1度も考えることもなく

ただただ板書を写し

先生と友達の話をなんとなく聞くことで授業を終えてしまうことがあります。

しかし適切な手立てを打てば全員を授業に参加させることができます。

そして発表が苦手だった子も少しずつ出来るようになってくる。

すると授業が盛り上がります。

そんな「授業に全員を巻き込む手立て」第1弾。

1部の子どもで進む授業は今日で終わり!

子ども全員が参加するアクティブな授業にしましょう!

授業に全員を巻き込むには?

ポイントは2つです。

1時間の授業の中で

「意思表示」

「表現」

の場を必ず設定すること。

これを行うことで授業で考えることが当たり前になり

自分の意見、考えを表示することも当たり前となり

それを継続することで発言することの当たり前につながっていきます。

今回は第1弾として「意思表示」の場の設定について。

では具体的手立てを紹介していきます。

授業に全員を巻き込む手立て〜意思表示編〜

意思表示する場の設定

①今当てられたら困る人?

「発表できる人?」「これを説明してくれる人?」「できた人?」

発表を促すためによく聞く、教師が発するフレーズです。

しかしこれらの投げかけは

「発表できない人は手を挙げなくていいよ」

「説明したくない人は手を挙げなくていいよ」

というヒドゥンメッセージを含みます。

これでは一部の優秀な子どもの発言でしか授業は進まない可能性が出てきます。

なので子どもに考えさせた後はまず

「今当てられたら困る人?」

と聞きます。

すると考えがなかったり、分からない子が手を挙げざるを得ない状況を作れます。

そしてこの投げかけを継続して行うことで

子ども達も発問に対して必死に考えるようになります。

ポイントは2つ。

まず「今当てられたら困る人?」に手を挙げられた子どもをしっかり評価すること。

この投げかけに手を挙げるのはなかなか難しいことでもあります。

「分かりません」と自分から言うことと等しいですので。

「分からないことが分からないと自分から表示できるのは素晴らしいこと。そんな人こそ多くを学び、かしこくなれます」などと伝えます。

この評価をし続けることで「今当てられたら困る人?」にスッと手が挙げられるクラスを目指します

そしてもう1つのポイントが「手を挙げていない子どもを見逃さない」こと。

「今当てられたら困る人?」の投げかけに

明らかに自分の考えが持てていなかったり、問題を理解できていない子どもが手を挙げていない場合は

「〜くんは手を挙げていないので、では説明をどうぞ」と

こちらから指名します。

そして子どもが話せない場合は特に説教などはせず

「もう一度聞きます。今当てられたら困る人?」

と、もう一度投げかける。

そしてさっき手を挙げていなかったその子の挙手を確認したら

「OK,ありがとう」といつも通り評価します。

「あ、先生は見逃さないんだな」を印象付ければ

子どもは「当てられたら困る」にもしっかり手を挙げるようになります。

すると「当てられたら困る」に手を挙げた子は

友達の発表をよく聞くようになります。

②自信がある人?まぁまぁな人?自信がない人?

これは①の「当てられたら困る人?」に似た投げかけです。

異なるのは選択肢を増やしたこと。

子どもの中には「発表したいけど、間違ってるかなぁ、どうしようかなぁ」と迷っている子もいます。

そんな子のために「まぁまぁ」の選択肢を設けると

迷っている子にとって迷わずに意思表示できる場となります。

「自信がない人?」は「今当てられたら困る人?」と同じですね。

そこに手を挙げられた子を評価していきます。

③答え書けたけど自信ない人?式までは自信ある人?

「発表できる人?」という投げかけを細分化する手立てです。

「発表したい人?」

「発表したいけど少し不安な人?」

「意見は書けたけど発表は自信ない人?」

「まだ考えが書けていない人?」

など

全員がどこかで挙手できるようにします。

④この式(答え、漢字など)は○か✕か。頭の上でせーの…

答えがはっきりしている場面などで活用します。

頭の上で○か✕を手を使って作らせる。

授業の導入などにおすすめです。

⑤この考えに賛成はグー、反対はパー、迷っている人はチョキ。最初はグー、じゃんけんぽん!!

少しユーモアを交えた意思表示の方法の1つ。

「賛成・反対」の2つの選択肢で行うことが多いですが、

難しい発問などでは「迷っている」を選択肢に入れるとどの子も安心して意思表示することができます。

「賛成・反対」だけではなく

「どちらの方が速く正確にできる計算方法か?」

「中心人物の気持ちが変化したのは○段落か○段落か?」

などの発問にも活用可能です。

⑥今の〜くんの意見と同じ考えの人?違う考えの人?

「友達の発表もちゃんと聞きなさい」

と言っても子どもはなかなか聞きません。

教師の話を聞かせるのも一苦労なのに、子どもの発表を聞かせるようにするには大変な労力がかかります。

「発表している友達の方を向いて聞こう」と形から入る指導もありますが

これも徹底させるには相当な覚悟が必要です。

しかしこの

「今の〜くんの意見と同じ?違う?」で挙手させるだけで

子どもの聞こうとする姿勢が向上します。

大切なのは挙手させるだけでなく

「〜さんは同じ意見なんだね。どうぞ言ってみて」

「〜くんは手を挙げていないってことは違う意見だね。興味あるから言ってみて」

と実際に指名すること。

これをすることで子どもは友達の発表を聞く必然性が出てきます。

少し難しい発問の際には

「今の〜くんの意見と同じかどうか、分からないという人?」と

中間の選択肢も与えることがあります。

しかしこのときも

「じゃあみんなで同じか違うか考えよう。〜くんどうぞ」

と必ず指名する。

そうすることで子どもの聞く姿勢がかなり変化します。

⑦〜さんの発表を聞き取れた人?もう一度言ってほしい人?

「〜さんの言っていることが分かった?」の聞き方は

分からなければ手を挙げなくてよいということになります。

それを

「聞き取れた人?」と聞き方を変えます。

「聞き取れた」は分からなくてもよい。

「意味が分からなくても、とにかく言ったことをそのまま言ってね」という聞き方です。

なので聞いていない場合は当然答えられない。

子どもの発表が少し長くなった場合は

「今の〜くんの発表を『少し』でも聞き取れた人?」と聞きます。

これに挙手できないのであれば「全く聞いていなかった」ことになるので

ここでは指導の場面になるのですが

「聞き取れた?」の後に挙手できない子がいくつかいれば

「もう一度言ってほしい人?」と聞くようにしています

そうすると2回めの発表では子どもの聞く意識が格段に高まります。

しかし「聞き取れた人?」にも「もう一度言ってほしい人?」にも挙手しない子がいた場合は

それは絶対に見逃してはいけません。

これを見逃すと「あ、手を挙げなくても別にいいんだ」というメッセージを伝えることとなり

全員参加の授業が難しくなります。

どちらにも挙手しない子がいれば必ず

「〜さんはもう一度言う必要がないみたいだね。じゃあ言ってみて」

と少し追い込みます。

これをとにかく継続することで、友達の意見もしっかり聞く姿勢が育ちます。

⑧ノートに書けた人?

考えをノートに書かせた後に

「発表できる人?」と聞く先生がいますが

だめです。

「発表できない子」は挙手しなくてよいこととなります。

なので全員がノートに考えが書けた事を確認後に

「ノートに書けた人?」と聞きます。

全員がノートに書けているのなら全員の手が挙がるはずです。

挙がらなければ

「あれ、手を挙げていない人は何もノートに書けていないってことだね。5分間何してたのかな?」などと返すと

そろそろと手を挙げ始めます。

そして手を挙げた子どもを指名して意見を言わせる。

大切なのはこのようにちゃんと全員に挙手させることと

挙手して考えを言えたことを評価すること。

追い込むだけで終わってはいけません。

評価は絶対必要です。

⑨全員起立、考えが持てたら座ります

発問後、全員に考えを持たせたい時にこれを活用します。

「誰かが考えてくれるだろう」「誰かが言ってくれるだろう」

という子はクラスに必ずいます。

そんな子をなくすために、考えざるをえない状況を作るのが

「全員起立」です。

全員起立をさせてから考えさせることで、全員が考えざるを得ない状況を作れます。

そして基本的に子ども達は早く座りたいので頭をフル回転で考えます。

これはおそらくどの時間でも活用している手立てです。

「ちょっと空気がだれてきたなぁ」

「あ、少し気がそれてる子が出てきたぞ」

という時にも突然

「全員起立」と言います。

これを何度も繰り返すと起立するだけで子どもの思考スイッチをオンにできます。

今日の手立ての中でも圧倒的におすすめです。

まとめ(全員参加のための気をつけるポイント)

以上、「【授業が変わる!!】授業に全員を巻き込む手立てその①,9選」でした。

途中でも書きましたがこれら手立てを行う際に非常に大切なのが

「挙手していない子どもを見逃さない」こと。

これを見逃すと

「あ、別に挙手しなくてもいいんだ」という子が必ず出てきます。

すると授業での傍観者が一気に発生していきます。

ここは根気強く見逃さないという決意が必要です。

しかし私の感覚ではこの手立てを2ヶ月でも続けると

挙手する、考えを持つ、発表する

が当たり前になっていくと思っています。

ぜひご活用ください。

授業が飛躍的に変わります。

以上です!ご覧頂きありがとうございました!!