1人1台タブレット端末配布されたけど、どうやって活用すればいいの?
という声におこたえします
今回は体育編。
この記事を読めば体育の授業で1人1台タブレット端末をどのように活用すればよいのかが分かります。
そしてただ使うだけでなく、子どもに力をつける、子どもが意欲的に取り組める効果的な活用方法です。
また、使う上での注意点も紹介します。
ではいきましょう。
1人1台タブレット端末の授業活用アイディア【体育編】
①タイマー機能
標準で入っている時計アプリで使うことができるストップウォッチ機能です。
画像
これまでは教師が持って子ども達を計測していたのですが、1人1台なら子ども達自身でタイムをはからせることが可能です。
- 50m走
- ハードル走
- ペース走 など
これまでは授業で走り方や気をつけるポイントを指導した後に、授業の最後に2人ずつぐらいでタイムをはかるという展開が一般的ではないでしょうか?
ただこれだとタイムを計測した後にその修正をするのが次の授業となってしまい、少し間があいてしまいます。
しかし1人1台タブレット端末を持たせていると、
「10分練習タイム、その後5分はペアでタイムを計りながら走りを修正しましょう」
と言って、走る場さえ与えれば自分たちでタイムを計測できます。
子どもの計測したタイムの正確性の問題はありますが、自分の走りが良くなっているのかどうかの1つの指標にもなります。
また子どもはやはりタイムや記録というものが気になります。
常にタイムを計測できる状態は子ども達にとってはかなり意欲の高まる状況です。
何度も何度も走る子がでてきます。
そして最後には教師の計測で走らせるという展開で授業を行います。
また、このストップウォッチ機能では当然ラップタイムを計測することも可能ですので、
持久走の練習などでは1周のラップタイムを計らせ、一定のペースで走れているのかどうかをチェックすることもできます。
私は長距離走だけでなく、50m走やハードル走の短距離を指導する際にも使っていました。
10mごとのラップをとり、自分のスピードが落ちているところを分析させてりもしました。
かなり使えます。
②動画撮影機能
これはどの体育の単元でも使えます。
「ここはもとこうした方がいいよ」「足が伸びていないよ」などの指導やアドバイスを聞いても子ども達は自分の姿が具体的にイメージすることは難しいです。
ですが、動画で撮影することで自分の姿を客観的に見ることができます。
これも標準のカメラアプリで十分です。
動画を見る際には止めたい所で止めたり、少し巻き戻したり、コマ送りでスロー再生させることも可能です。
こういった動画機能を使った体育授業を研究授業などで使うと、
「今まで子ども達が話し合ったり教え合ったりしていた部分が動画になって、子どもの会話がなくなるんじゃないですか?」
という質問が必ずあります。
そんなことはありません。
しっかり教師からの手立てを与えれば子どもの会話がなくなることはないです。(その手立てについては後述しています)
さらにその子ども同士の会話をより授業のめあて達成に向かう内容にすることが可能です。
今の時代、自分の姿を撮影して分析することはどのアスリートも行っていることですから。
授業でもどんどん活用しましょう。
③動画視聴
これは他の社会や理科などの授業と同じ活用方法ですね。
NHK for schoolはもちろん、今ではYoutubeでも良質な動画が多くあります。(広告が入るというデメリットもありますが)
おすすめはNHK for schoolの「はりきり体育の介」です。
子どもに見せるのもいいし、授業準備の際に視聴すると取り組ませる内容のポイントを掴むことができます。
かなりおすすめです。
注意点(動画撮影時)
動画を撮ることが目的となってしまう
動画を撮ることは子ども達にとってはとても楽しい取り組みです。
意欲的に取り組む反面、動画を撮ること自体が目的となってしまい、その後の話し合いに発展しないことが見受けられたりします。
また、動画を見る際に授業のポイントとは違うところ、ズレたところに注目し、中にはふざけて友達のおもしろい場面で動画を止めたりして笑ったりする子どもも必ず出てきます。
これらを防ぐ手立ては2つです。
①「なぜ動画で撮るのか」を考えさせる
「今回の体育の授業では動画で自分たちの姿を撮ってみます。動画で撮ることで君たちにどんないいことがある?」を子ども達とともに考えさせます。
- 自分の姿を何度も見ることができる
- できているところや、できていないところが分かる
- 友達の姿と比べることができる
という意見が出ると考えられます。そして
「じゃあ最後はどうなるといいの?」と聞き
「みんなのタイムや技のレベルが上がること」ということを共通理解として全体で確認しておきます。
そうすると子ども達の外れた行動を防ぐことができます。
まだ心配なら
「動画を撮影するけど、『これをしたらだめだな』『これは先生に怒られるな』と思う使い方は?」
と聞くのもよいでしょう。
できればこう言った話は年度のはじめのほうに話し合うのがいいかと思います。
また、ふさわしくない行為があった場合にどうするのかも、学級のルールとして決めておくこともよいでしょう。
②動画の見る視点をはっきりとさせる
これはすべての授業でも言えることですが、やはり1時間のめあてにせまるために子どもにどこを見てもらいたいのか、その視点を与える必要があります。
・足がしっかり上がっているかどうかを確認しよう
・うまく跳べた時とそうでないときの助走に違いはあるか観察しよう
・ハードルを跳びこえる前の足の動きはどうなっているか見てみよう
などです。
この視点を与えないとただ「動画を見て終わり」になってしまうことがあります。
しかしどこを見るのかを具体的に伝えることで、子ども達もそこに注目します。
さきほど
「動画を使うと子どもの話し合いがなくなるのでは?」という意見があるということを書きました。
視点を与えなければその可能性は十分にあります。
しかしその日の授業でのめあて達成に向けた見る視点をしっかり与えていれば、子ども達の会話は自然と始まります。例えば台上前転の発展であるネックスプリングに取り組ませた場合
- もう少し動画を進めて、そうそこでストップ
- あ、やっぱり足が伸びてない
- ひざに力入れるといいんじゃない?
- 踏切からもうひざが曲がってるね
という話し合いが考えられます。
動画がなければ記憶のなかで話をしなければなりません。
「たぶん足、伸びてたと思う」のようにです。
しかし動画を使うとこの「たぶん」がなくなります。
そして視点を与えることで話し合いはより活発になります。
まとめ
以上、「1人1台タブレット端末活用法【体育編】」でした。
- ストップウォッチ機能
- 動画撮影機能
- 動画視聴
- 注意点
タブレット端末を使うことで、体育の授業がより楽しく、より深まります。
ぜひできるところから試してみてください。
ご覧いただきありがとうございました!