1人1台タブレットが配布された場合の、音楽の授業での活用方法をご紹介します。
結論から言うと「動画撮影機能」を使った活用方法です。
ぜひご覧ください。
【1人1台タブレット】音楽授業でのタブレット活用方法
歌唱指導場面
歌唱指導では「口を大きく開けよう」という指導が入ることがよくあります。
「口を大きく開けましょう」
「指が縦に3本入るぐらい」
「顎をさげて口を大きく開けましょう」
という様々な言葉がけが考えられますが、
なかなか全員を変えることは難しい。
なぜ口が開かないのか。
これまでの経験上「自分では開けているつもり」と考えている子どもが多いような気がしていました。
個別に「もう少し口、開けようか」という話をすると
「がんばって開けてます」と答える子どもがいたからです。
やはり言葉だけでなく、客観的にどれぐらい開ける必要があって、現段階で自分がどれぐらい開けられているのかを理解させる必要があります。
そのためにタブレットを使って歌っている姿を動画に撮るという方法があります。
例えば教師が歌っているクラス全体を撮影し、子ども達のタブレットにAirDropやロイロノート を使って共有する。
子ども達には「自分の姿と他の姿を比べて、口の開きはどうか」を考えさせ、発表させる。
もう一度歌う姿を撮影し、さっきの動画と見比べて変化があったのかを確認する。
こうすると自分の歌う姿を客観的に捉えることができます。
よく歌っている最中に
「~くん、口しっかり開いています!」
「~さんも開くようになってきた!」
という指導を耳にします。
これら指導は本人達には効果的です。
しかし歌っている最中にその褒められた子どもの姿を他の子たちが見ることは難しい。
しかし動画を見ながら
「~くんの口の開きはいいね」
と言えば、全員が確認ができます。
また、教師にとってもその授業での子ども達の姿を
授業後にも客観的に確認することができます。
次の指導につなげることが可能です。
楽器指導場面
歌唱指導と同じように、リコーダーなどの楽器指導場面でも同じように活用可能です。
自分の演奏を聞く機会というのはなかなかとれないと思います。
これまでもデジカメなどを使えば動画を撮影することは可能でした。
ただ、デジカメで撮った動画をすぐに全体で見ようとするとかなり手間がかかります。(デジカメで撮る、データをパソコンに写す、またはテレビとつなげる、テレビで視聴する
しかし1人1台タブレットならすぐに全員に撮影した動画を共有することが可能です。
今自分が演奏した姿、音をすぐに確認することができます。
動画を見た後の演奏する姿をもう一度撮影することで、その授業での変化や伸びを確認できます。
教師としては評価にも使うことができます。
全体を撮影するだけでなく、個人を撮影するのにも使えます。
ペアでお互いが演奏する姿を撮影し、自分の演奏する姿を確認します。
「上手く演奏できていたよ」「ここをもっとこうしたらいいよ」という伝え合いが
動画があることでより説得力を増します。
合奏指導
音楽発表会などの合奏の練習は大変です。
先生1人で様々な楽器の指導を行わなければならないからです。
時には音楽室だけでなく、いろいろな教室に別れて練習させることもあるでしょう。
「せんせー、あっているか分からないので一回聞いてくださーい」
「せんせー、この記号ってどういう意味ですかー?」
「せんせー、ここっって何拍のばすんですかー?」
「せんせー、速さってこれぐらいであってますかー?」
「せんせー、~くんと~くんが遊んでまーす」
といったことが想定されますが、しかし体は1つです。
こんなときは、全ての楽器のパートを事前に動画にとっておいて、子ども達に配布します。
そうすると上記の質問に対して
「動画を見て練習してね。」
の指示1つでいけます。
しかも動画があるのでいつでも聞くことができます。
そのため休み時間にも練習ができるし、タブレットの持ち帰りが可能であれば家庭でも練習ができます。
全ての楽器の動画を用意することは大変ですが、その後の指導での効果を考えれば行う価値は十二分にあります。
※楽器の撮影が大変ならパート別のCDが付いている楽譜を買うのがおすすめ。そのCDを流しながら教師用のタブレットで音を動画で撮影するだけでOKです。私は「ロケットミュージック」というサイトでいつも楽譜を買っています
イヤホンの活用
私は子ども達にイヤホンを持ってくるように指示していました。
今は100均でもイヤホンは買えます。
学校側で買って与えていたこともあったし、家庭で用意することをお願いすることもありました。
イヤホンを使えば他の子どものタブレットの音が干渉することなく、自分の動画の音に集中して聞くことができます。
他クラスに迷惑をかけることもなくなります。
注意点
動画機能を活用意した授業を行う上で注意点が3つあります。
①動画を見る「目的」を明確にする
子どもの姿を動画で見る活動は子ども達は楽しんで行います。
教師も手軽に使える機能なので、積極的に使えるでしょう。
しかし動画を撮影することやその動画を見ること自体が目的となってしまって
「なぜ動画で撮影するのか」が抜けている場合があります。
動画機能を使うことはあくまでも「方法」です。
その機能を使って子どもにどんな力をつけたいのか、目的を明確に持ちましょう。
②動画を見る「視点」を明確にする
①で述べた「子どもにどんな力をつけたいのか」を明確にするためにも
動画のどこを見ればよいのか、その視点を明確にしましょう。
例えば歌唱指導であれば、「口の開き方に注目しましょう」「自分の声が聞こえるか聞いてみましょう」
リコーダーの演奏ならば「高い音がきちんとでているか確認しましょう」
合奏指導なら「テンポが周りとあっているか、確かめてみましょう」
などです。
この視点が明確でなければ、子ども達はなんとなく動画を見て、なんとなくまた練習を始めます。
ぜひ「どこを見るのか」を明確に子どもに伝えましょう。
③動画を見て会話させる
「動画を見せてしまったら、これまで子ども達が教えあったりアドバイスし合ったりする場面がなくなるんじゃないですか?」
タブレットを使った授業を公開したりすると、必ずこんな質問があります。
動画を見て「ふ~ん」となって終わり、となる子どもは確かにいます。
ですので動画を見せたあとは必ず会話させるようにします。
例えば教師から動画を全体に提示し(当然見る視点を明確にして)
動画が終わった後に「見た感想を言ってください」や「前回と比較してどうでしたか」などと投げかけ、発言を促します。
またペアで動画を取り合う活動を行う際も、
「動画を見た上で必ずアドバイスをしたり、感想を話したりしましょう。それから次の練習を行うように。」という指示は必ずおこないます。
1人1台タブレット端末を介した「対話的な授業」を目指します。
まとめ
以上が動画撮影機能を活用した音楽授業での1人1台タブレット端末活用方法でした。
今日紹介した活用方法は結局カメラの動画機能しか使っていません。
簡単に活用でき、効果大です。
ぜひお試しください。
以上です!お読みいただきありがとうございました!