うちのクラスの子、ぜんぜん話を聞かない…
そういった声におこたえします。
しっかり話を聞けるクラスに学級崩壊は起こりません。
しかし昨日まで話を聞かなかった子が、次の日急に話を聞くようになる。
そんなことはありません。
日々の取り組みの中で、少しずつ話が聞けるようにしていきます。
「話を聞きなさい」
という指導なら教師でなくても誰でもできます。
教育のプロとして、話を聞かせるための手立てを多くもっておくことが重要だと考えています。
今日は「
急に話を聞かせるような魔法ではないですが、これら手立てを子ども達がマンネリしないよう様々な場面で取っ替え引っ替え活用することで、子ども達の聞く力が高まると思っています。
- 子どもがこちらを向くまで待つ
- 手には何も持たせない
- 「聞いたことを隣の人に言えたら座ります」
- 時間を限定する
- 聞かれても教えないでね
- 「さっき言いました。」
- 「~くんが言ったことが聞き取れた人?」
- わざと間違えたり、ユーモアを含めたりして話す
- 声のボリュームを変える
- 「1回だけ言います」
- 動きを入れる
- 聞いている子を褒める
- 話を短くする
それではいきましょう。
【学級経営がうまくいく!】話を聞かない子が聞くようになる13の手立て
①子どもがこちらを向くまで待つ
これはよく使われる手法ですね。
「聞いていないな」という子どもがいれば教師が沈黙し、その子が気づいて前を向くまで待つ。
まずは話す前に、聞く姿勢を作るところから。
ただ、これを多用すると授業のテンポが悪くなったり、雰囲気がだれてしまったりすることがあるのでその辺りは注意が必要かなと思います。
②手には何も持たせない
2つのことを同時にすることがむずかしい低学年には特に有効です。
何かを書きながらや手遊びをしている状態だと聞くことができません。
なので聞くことに集中させるために手には何も持たせない。
ただ、高学年を担任したときは同時に2つのこともできるようになってほしいという思いから
「書きながら聞いてね」という指導もしていました。
しかし、特にここは全員に確実に聞かせたいというときは
「今からかなり大事な話するから手に持っているものを置いてくれる?」
という話をしていました。全員手に何も持たない状態になったら
「ありがとう」と言って話を始めます。
③「聞いたことを隣の人に言えたら座ります」
たまには厳しく追い込むことも必要です。
何かを話した後に「いいですか?」と聞いて
「はい!」
と返事をさせることはよくあると思います。
子ども達の中には話を聞いていなくても返事をしている子も当然いるでしょう。
「はい!」の返事のあとこう言います。
「全員起立。今先生が話したことを右の人が左の人に言えたら座りなさい。」
右、左はその時その時で変えます。「あ、たぶんこの子、聞いてないな」と感じた子がいる方をあえて選んだりします。
まぁでもその子もなんとなく隣に説明して座るでしょう。
全員が座ったことを確認した後に、おそらく聞いていなかったろう子どもを指名して、
「~さん、みんなの前で言ってみて」と指示します。
そこで言えなかったら
「あれー、言えなかったら座ったらだめだよね。」と厳しめに言います。
そして「他の人で言える人?」とさらに聞いた後
手が挙がっていない子どもがいれば
「あれー、なんで言えないのに座ってるの?」と追い込みます。
学年はじめや学期はじめこの指導を多めに行います。
「先生の話は聞かないとやばい」
という意識を持たせます。
聞いていないだろうと思っていた子を指名したときに目論見がはずれて、完璧に話した内容が話せた時は「しっかり聞けてたね!」と褒めればいいです。
④時間を限定する
帰りの会後の1日の最後の話のときなんかには、毎日使っていました。
「1分で終わるから話を聞きましょう」と言います。
これの大事なところは実際にタイマーを1分に設定することです。
よく「あと◯秒で終わるから!」と言って何分も話す先生がいます。
これ、先生が約束を破っていることになっているなとずっと思っていました。
だから実際にタイマーを設定するのです。
ただしこれを行う場合、大切なことが2つあります。
1つ目は、必ずその時間を守ること。
「ピピピ」とタイマーが鳴ればどれだけ話が途中でも終わります。
この積み重ねは子どもの先生に対する信頼を生むという効果もあります。
2つ目は、「1分聞きなさい」と言ったら必ず1分聞かせること。
全員の目がこちらを向いたらタイマーをスタートし、話し始める。
しかしもし1人でも目をそらしたり、話を聞いていないような様子が見られたりしたらタイマーを止めて話すことをやめます。
そしてもう一度全員が聞く姿勢になったらタイマーを途中からスタートさせて話の続きを始めます。
こちらも約束を守ることを徹底するなら、子どもにも徹底させます。
⑤聞かれても教えないでね
教師の話を聞き逃した子どもは近くの子に聞いたりします。
そういった姿を見たときには「教えないように」と言います。
「教える行為はとても優しく、相手を思う行為です。ただ、教えてばかりいると隣の子が『話を聞いていなくても教えてくれる』と思って話を聞かなくなるというデメリットもあります。」
という話をします。
この話をすると隣が聞いてきても無視したりする子どももいたりして、子ども同士の関係がぎくしゃくすることも考えられるので少し注意が必要です。
でもそれぐらい教師が「話が聞けるようになってほしい」という思いを持っていることがアピールできます。
⑥「さっき言いました」
子どもってついさっき話したことも平気な顔して質問してきたりしますよね?
そんなときはこの一言。この一言でサラッと次の活動へ行きます。
⑦「~くんが言ったことが聞き取れた人?」
これは主に授業で使います。
子どもの発言内容が重要であった時や、1人の考えを全体に広めたい時に使います。
もし「聞き取れた人?」と言った後に挙手が少なければ
「残念ですね、友達の発表が聞けないのは。」というような言葉を言ってもう一度発表させる。
そして「聞き取れた人?」ともう一度聞いて挙手できた子を褒める。
挙手した子を指名して聞き取れたことを話させて、聞き取れていたことを確認できたらさらに褒めます。
あまり多用するとこれも授業のテンポが悪くなるので、「ここ」というときに使います。
⑧間違いやユーモアを含めて話す
話が聞けないザワザワした空気の中でも「1+1は3やね」とかをボソッと言うと、「いや、ちがう!」と多くの子が反応しますよね。「あれ、聞いてたの?」みたいな。あれなんなんでしょうね(笑)
子どもは間違ったことには敏感です。それを利用します。
「2時間目の体育の時は黄帽子を忘れずにかぶりましょう。暑いので熱中症にならないように必ず水筒は教室に置いておきます。時間に遅れず、音楽室に集まりましょう!」
間違い、ユーモアを含めて話すと子ども達はよく聞くようになります。(本当に信じてしまう子どもも中にはいるのですが・・・)
⑨声のボリュームを変える
ずっと同じ声の大きさで話していると、聞いている方はしんどくなります。
なので声のボリュームを変えることで子どもの注意を引くことができます。
「ザワザワしている中であえて小さな声で話す。」
「おおげさなな抑揚をつける。」
などなど。
⑩「1回だけ言います」
説明する前にこれを言います。
これを言った後に少し「間」を置いて話し始めるといいと思います。
この間で子ども達の聞く姿勢が作れます。
⑪動きを入れる
挙手させる
「~するようにしてくださいね。では分かった人ー?」
返事させる
「絶対に~はしないように。いいですか?」「はい!」
説明させる
「これは~と書くようにしてください。では今の先生の説明を横の人にもう一度言いましょう。」
考えさせる
「今から先生はこの作業で気をつけてほしい大切なことを話ます。何だと思いますか?」
このような動きを短いスパンで入れていくことで、子ども集中力を持続させ、話を聞かせることができます。
⑫話を聞いている子どもを褒める
話を聞いている子どもを褒める時間と、話を聞いていない子どもを指導する時間。どちらが多いですか?
指導する方が長いなと感じたら、少し褒める方へ意識を向けましょう。
聞けている子どもも「もっと聞こう!」と意欲がわきます。
⑬話を短くする
話が長いと聞けなくなるのは大人も同じ。
短く分かりやすく話す。結局これが大前提かもしれません。
まとめ
以上が「
子どもが話を聞けないことを子どものせいにする先生を時々見かけます。
「うちのクラスの子、全然話がきけないのよねー」と。
でも考えてみると大人も話を聞いていないことは多くあります。
職員会議や研修会で、「あれ、さっき、何て言った?」ということ
ぼくもめちゃくちゃあります。
だからクラスの30~40いる子ども全員に話を聞かせることはかなり難しいことです。
聞かない子がいて当然です。
だから話を聞かせるための手立てをいくつも持っておくことが大切だと思っています。
ご活用いただければ幸いです。
以上です!お読みいただきありがとうございました!