3年生算数「□を使った式」の授業アイディアを紹介します。
この単元は今後の「文字式」や中学校での方程式の学習の素地となる
かなり大事な単元です。
「□を使うと便利だね!」
と、□を使って立式するよさを感じさせる授業がしたいですね。
それではいきましょう!
式から場面を想像する
6+3+2=7
この式を示し「どの場面を示した式かな?」と尋ねます。
①あめが6こあります。3こもらって2こ食べました。のこりは7こになりました。
②7人があそんでいます。2人が来て6人帰りました。のこりは3人になりました。
正解は①
話のとおりに式に表すとどんな場面かがわかることを実感させます。
「12ー4=8」など、式だけを見せて「どんな場面が考えられるかな?」
というオープンな発問もいいと思います。
加法の場面での未知数を含んだ文章題
あめが38こあります。あめが入ったふくろが1つあります。
あめは全部で何こですが?
「『全部で』だからたし算だね〜」と言いながら
38+1=
という式を示すと、子どもから自然と声があがるでしょう。
「ちがうよ!その『1』はふくろの数で、あめの数じゃない!」
「あめの数が分からないから式にできない!」
「教師がわざと間違える」は子どもの思考を促す大切なスキルの1つです。
あめの数は問題文からは分からないので、ここで
「お話し通りに式にする時、分からない数がある場合は□を使って式にする」
ということを伝えます。
38+□=
「ふくろの中のあめは何個あるの?」
と気になる子もでてくるでしょう。
ふくろの中のあめと、もともとあったあめを合わせると
50こであることを伝え
あめが38こあります。あめが入ったふくろが1つあります。
ふくろの中のあめを合わせると
あめは全部で50こになりました。
この文章をお話し通りに式にすると
38+□=50
という式になることを確認します。
この問題で「ふくろに入ったあめは何個でしょう」という問題にすると
立式に迷う子どもが必ずでてきます。
「全部で」という言葉から「38+50」という式を作る子どもも多くいると考えられます。
しかしお話し通りに□を使って立式する場合、そのミスは防げます。
そしてこれは
「もとの数の25%は200mLです」のような割合などの複雑な文章題に取り組む際に大きく生きてきます。
この□を使ったよさはぜひ、子どもに感じさせたいところです。
□の数値の求め方を考える
「50ー38で計算する」
「□に順番に数字を入れていって計算し、50になる数を探す」
子ども達が考えるのはこの2パターンだろうと考えられます。
いろんな考えがあるなら発表させて、
「自分のいいと思う□の数字の見つけ方を使ってみよう」
と私なら子ども達にまかせます。
いろんな考えを出させた後に
「これが一番簡単ではやくできる方法だね」
と限定するのは私はあまり好きではないです。
1つの考えをよしとする流れで授業を進めると
他の考えを発表した子ども達が
「自分の考えはよくないんだ…」などと思う可能性があります。
そうなると今後自分の考えを発表しなくなることもあるかもしれません。
また、
「これが一番いい方法だ!」と気づくのは子ども自身であるべきです。
これこそ深い学びの1つではないかと思います。
ここは押し付けるべきではないと考えています。
「50ー38」と、ひき算で求められるということはイメージがつきにくい子がいると思いますが
下の図のように線分図にするとひき算で求められることが見えてきます。
図のよさを感じさせられます。
減法の場面での未知数を含んだ文章題
ただしさんはカードを何まいか持っています。
弟に18まいあげました。のこりは24まいになりました。
「何がわからないかな?」と確認し、
未知数には□を使って、立式させます。
□ー18=24
立式できたら□の数を求めます。
先ほどと同じように線分図に表すと□をどう求めればよいかが見えてきます。
乗法の場面での未知数を含んだ文章題
同じ数ずつ、8人でつるをおります。
全部で32羽になりました。
「どの数字がわからないかな?」を確認し
□を使って立式します。
□×8=32
その後、□の数値の求め方を考えます。
ここでもやはり図で示すと「わり算で求める」が見えやすくなります。
子どもに「この問題は図にするとどうなるだろう?」
と投げかけてもいいと思います。
図にするのはなかなか難しいとは思いますが、文章題を図に変換する経験は何度も積んでいくことが大切です。
洗練された線分図でなくとも、問題を少しずつイメージ化できるようになっていくと
文章題を解く力が高まっていきます。
また、もしわり算での求め方でなく
「4×8は32だから4だ」
という九九から想起した考えも当然認めます。
除法の場面での未知数を含んだ文章題
クッキーが24まいあります。
何人かで同じ数ずつ分けたら、1人分は3まいになりました。
「分けたら」という言葉があるのでわり算であることは理解しやすいと思います。
こういう時は「24×□=3だね」のようにわざと間違えたりすると授業が盛り上がります。
24÷□=3
立式→□の数値の求め方
というこれまで通りの流れで進めていきます。
問題作り
子ども自身に未知数が含まれた文章題を作らせます。
問題を作るのは
「どこを未知数にしよう?」「何算の問題にしよう?」など
問題をただ解くよりも、より思考が促される活動です。
しかも子ども達は楽しんで行います。
作った問題はロイロノートなどを使ってクラス全体で共有し
「自分以外の3人の問題を解いてみましょう」
「□が求められなかったり、問題が少しおかしいものがあったらこっそり教えてあげてくださいね」
などと声かけし、問題を解かせるといいと思います。
まとめ
以上が3年算数「□を使った式」授業アイディアでした。
この単元が理解できると、その後文章題への苦手意識がなくなる子もでてきます。
楽しみながら丁寧に授業を進めたいですね。
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