1人1台の導入、先生方の学校では進んでいますでしょうか?
導入される端末が決まって準備が進められている学校も多いと聞きます。
今回の記事では「1人1台タブレット端末導入で起こる問題とその解決策」について書きました。
私の自治体では10年まえからiPadの導入が始まり、私自身も1人1台を活用した学級経営を4年以上経験しています。
その経験から1人1台導入後に起こった問題とその具体的解決策いついてお伝えします。
1人1台は授業や働き方において非常に便利である反面、これまでには起こり得なかった問題も表出していきます。
その中には取り返しのつかない問題もあります。
しかしそういったことが起こりうると分かっていれば早めの対策、予防策を打つことができます。
非常に有益な内容になっていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
それではいきましょう!
1人1台タブレット端末導入で起こる問題とその解決策
①保管場所
1人1台来たらどこに保管しておくの?机の中?
と疑問を持たれている方も多いでしょう。
おそらくですがこのような大型保管庫が各教室におかれるのではないかと思っています。
(パソコン室においてそこから出し入れするという事例も聞いたことがあります)
この保管庫に入れておく事が最も安心、安全であると思っています。
しかしこれを使って常に保管していると
「ではタブレットを使うのでとってきてください。」
「では授業が終わったらタブレットは保管しておいてください」
と「取りに行く」「保管しに行く」時間がかなりかかってしまうんですね。
しかも今は「密」を避けなければいけない状況。
密を避けるために
「この列からタブレットを取りに行きましょう」
とするとさらに時間がかかります。
タブレットのよさって当たり前のことですが「すぐに使える」ことだと思っています。
パソコンのように起動時間が必要なく瞬時に作業が可能。
子どもが学習において必要な場面ですぐに使えるようにしておくことは授業を進めていく上で大切です。「タブレットを取りに行く」という場面を作ると、そこまで流れていた授業が1度切れてしまいます。
授業ですぐに使えるようにするために方法は2つです。
- 机の中で保管
- 机椅子周りに保管
私は日中、机の中に保管させていたこともありました。
しかし以前、他のクラスでiPadの液晶が割れるということが起こりました。
机の中にいれていて、タブレットの上に教科書をいくつかのせていたために起こったそうです。
かなり稀なケースだとは思いますが、こういった「最悪の状況」も考えて机での保管はやめることにしました。
そして今はこのイスにつける収納袋に保管しています。
学校によっては読書用の本の収納に使っているところもあるのではないでしょうか?
ここに他のものは入れず、iPadのみを保管するようにしています。
取り出すこともしまうこともすぐにできます。
注意することと言えば
- イスを引くとき
- 掃除などで机を後ろに下げるとき
でしょうか?
私の学校は床がじゅうたんなので、イスがすべることはありませんが、
そうでない場合、起立したりするときにイスがすべって後ろの席とぶつかることが考えられます。
その際には注意が必要です。
掃除の時など机を下げる際にも同じことが言えますが、
そういった際には「保管庫にしまいましょう」としています。
そして掃除がおわれば取り出して、イスに収納させる。
この行動を徹底させれば安心安全に使え、また授業でもすぐに使用することができます。
②充電切れ
タブレットを使っていると時々起こります。
「あ、充電あと5%しかない…」
使いたいとき、使わせたい時に使えない。
それを防ぐには
「放課後帰るときには必ず保管庫に入れて充電しておくこと」
これを習慣化させることで防げます。
子どもの新たなルーティンに。
③環境問題
1人1台配布されればそれだけでも授業などにおいて大きな効果を期待できますが、
それだけでなく、その周辺環境を整えることでその効果を最大限発揮することができます。
wifi環境
先生方の学校のwifi環境は整っているでしょうか?
私の学校では体育館以外、ほぼ全ての教室がwifi環境下にあります。
30人クラスで同時にアプリをインストールさせたりすると時間がかかったりすることもありますが、それほど不便を感じることなく使えています。
これが調べ学習をさせたりしたときに速度が遅く、なかなかページが開かれなかったりすると
「せんせー、ぜんぜん開きませーん」
と授業が滞ることになります。
ルーターの置き場所によって繋がりやすいにくいもあるようです。
1度確認してみてください。
TV、プロジェクターなど
機器を使えばタブレットの画面をすぐにプロジェクターやテレビに映し出せることもよさの1つです。
私の教室にはテレビと「Apple TV」があるので、すぐに画面に映し出すことができます。
教師の画面を写したり、子どもの画面を写して発表させたりすることができます。
またこれは自前で購入しましたが、タブレットとテレビやプロジェクターを有線でつなぐ機器も持っています。
無線でつなぐとどうしても動画などがスムーズに再生されない場合があるからです。
おすすめですので、ぜひ一度ご検討してみてください。
これら環境が整っていなければすぐにでも管理職、教育委員会にお願いしましょう!
④授業でずっとさわってしまう子ども
これ、必ずいます。
「はい、じゃあ前向いてね」
と言ってもずっとさわってしまう子ども。
こういう子どもに対し
「~くん、iPadさわらない!前見て!」
という指導を毎回行うことは大変です。
こういう場合は学校や学級でルールを定めることが大切。
例えば
「先生が話し始めたらiPadから手を離す」のように。
私は「はい、りんごマーク」とだけ言います。
すると子ども達はタブレットを裏返して、iPadの背面にあるアップルのロゴを上にして机に置きます。
「手を離しなさい」だけの指示だと、画面が見えている場合があって、目線はタブレットにいってしまっている子どもがいます。
なので「裏返して手を離す」ようにするため
「りんごマーク」という指示にしています。
毎回「裏返して手を離して話を聞きましょう」という指導をするのは教師にとってストレスです。
上の合言葉のようなもので子どもの行動を徹底させるととても便利です。
しかし当然、この指示だけで子ども全員が正しく行動できるとは限りません。
それでもさわってしまっている子ども必ずはでてきます。
ですので「指示の後にもさわってしまっている場合どうするのか」まで決めておくことが重要です。
- ルールを破ったことを謝罪させる
- その時間は使わせない
- 担任が取り上げる
私は問答無用で取り上げるようにしています。
子どもには特に何も指導しません。
スッと取り上げて授業を続けるだけです。
そして休み時間に子どもから謝罪と、今後どうするかの言葉があれば返却しています。
できればこういったルールをクラスだけでなく、学校全体で統一したものを作れることが1番いいと思っています。
⑤新たな生徒指導事案
悲しいことに、他校からこのような報告がありました。
- カメラアプリを使って授業で友達の写真をとる
- その写真をおもしろおかしく編集する
- AirDropを使って他の子どもに送る
- 写真を撮られた子どもがその写真を目にし、不登校となる
許されないことです。
しかしこういったことが起こりうるのです。
こういったことを防ぐために対策は3つあると考えています。
- 「なぜ学校でタブレットを全員に配布するのか」を語り、理解させる
- 「使っていい場面」「だめな場面」などを明確にする統一したルールを作る
- ルールが破られた場合の対応を統一する
1については「学び」のために使うのであって、それ以外の目的には使わないということを理解させた上で使わせるのが大切です。決して子どもの暇つぶしや楽しむためだけに使わせるのではないということを語りましょう。
2、3については先ほど述べた「授業でずっとさわってしまう子ども」への対応と同じです。この2つを明確にし、学校全体で統一することが非常に重要です。
「あのクラスでは~だった」
「あの先生は何も言わなかった」
では子ども達も混乱します。
これは1人1台タブレットだけでなく、全ての指導の基本ですね。
まとめ
以上「1人1台タブレット端末導入の問題とその解決策」でした。
私の自治体は導入が早かったこともあり、問題が起きた後の対応が後手後手になってしまい大変だったことを記憶しています。
この記事が先生方の早めの対策などにお役立ちになれば幸いです
以上です!ご覧いただきありがとうございました!!